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野毛「蛤覚」さんで名物蛤を頂く。

昔むかし。

ポカポカとお日様も温くなった春の夕暮れ時。
桜木町の改札前で磯子の爺さんが根岸湾に住むラッコを待っておった。
爺さんがぼんやりと路を行く人影を眺めていると。。。
改札前の本屋で立ち読みをしているラッコが居るではないか。

はいはい、近眼ですものね、此方が見つけないとだめなのよね。( ̄。 ̄;)
何故か今日の爺さんの口調が何時もと違う気がするが。。。考え過ぎか?

「爺さん!爺さん! 今日はどこでご飯を食べるの?」
「今日は、ハマカクと言うお店ぢゃ。」
「ハマカク?どんな字を書くの?」
「蛤覚と書くのぢゃ。」
「蛤!蛤!!! 」  腹叩きまくり。

「ラッコよ、何時も言うようにあまり人前で腹は叩くものぢゃないぞ。」
「なんで? 意味解らない。♪」
「。。。。。。少し待っておれ、繁盛店じゃから予約の電話を入れておこう。」

「もしもし、いそのと申しますが二名予約できますか?」
「はい、全席禁煙ですが大丈夫ですか?」
「はい大丈夫です…それではよろしくお願いします。」

「爺さん!爺さん! 席は空いていた?」
「うむ、席は空いているが、全席濡れた珍獣は禁止だそうだ。」
「シクシク。。。」

野毛の通りをゆっくり歩く爺さんの後にヨタヨタと毛繕いしなだら歩く珍獣の姿があった。

店に到着、毛皮も乾いているので安心して入店。
もっともご店主である「船主」さんは海の男なので珍獣ラッコにも優しくしてくださる。

先ずは生ビールでお疲れ様。


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「わしは鮎の塩焼きを頼んでおこうかな、ラッコは蛤を頼むか?」
「爺さん!爺さん!蛤を食べるタイミングが大事なのよ。 ビールを飲み終えてお酒と一緒に食べるの。」
「あーーはいはい判りましたよ。」

そこに、ガラガラと店の戸が開き、「いや~やっと入店できたなぁ  何度も弾かれていたんですよ♪」
と元気そうに入って来たのは ぶらくり佐藤さんであった。

暫く素に戻る。
私は妻を佐藤さんに紹介し、彼女も先日弦楽四重奏へご招待頂いた事への御礼を述べることができた。
良かった。。。腹を叩き出さないか心配したよ。(笑

冷酒と蛤の酒蒸しを注文。
「爺さん! この鮎の塩焼き美味しいよ。モグモグ。。。。」
「あれ?鮎の塩焼きはわしが注文した品ぢゃないか?」
「べつに大丈夫だよ。モグモグ。。。。」
「意味が。。。解らない。」


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蛤の酒蒸し。

「爺さん!爺さん!美味しいね!おつゆグビグビ!お酒グビグビ!だね。」



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たしかに旨い。
ラッコでなくてもしみじみと酒を呑みたくなる逸品ぢゃ。



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「爺さん!焼蛤 旨旨よ! 一口で頬張りモグモグよ!」

旨い肴は酒を呼び、楽しき会話は時を忘れるものです。
ましてやラッコの好きな昭和ソングを店内に流してくださる船主さんの気遣いや、楽しく会話してくださるぶらくりさんの優しさに、すでにラッコはノリノリでございます。

腹を叩き出したら早く帰らねばと心配する爺さんはオロオロするばかり。

挙げ句の果てに「私! 懐かしの歌! 歌っていいですか♪」と言い出すラッコに慌てた爺さん。
「そ、それだけは止めちくれぇ~  ふ、船主さん早くお会計してくだされ~」とほうほうの体でラッコを引きずりながら店飛び出して行ったそうな。
危ない危ない、蛤覚さん店内全面珍獣禁止になるどころぢゃた。

お騒がせをいたしました。
またお邪魔させてくだされと海にラッコを送り出した爺さんは店の方角を向き両手を合わせるのであった。

めでたしめでたし。



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↑ いやいや 店内珍獣禁止だよと思う方は挙手をお願いいたします。(>_< )


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2016-04-26 : 横浜ラッコ物語 : コメント : 20 : トラックバック : 0 :

獅子門酒楼の“活 酔払い海老の湯引き” 横浜中華街

JR石川町の夕暮れあきらかに周囲と違うリズムを刻みながら歩く二人連れ、二人のリズムも合わないようである。

爺さん  「ラッコよ! 中華街で飯を喰うって事で待ち合わせなら、普通改札口は “中華街口”が何も言わなくても待ち合わせ場所って解りそうなもんぢゃろが?」
ラッコ  「爺さん! 私は海から泳いで中村川を来てるのよ! “元町口”が一番便利なの!普通は便利なところが“普通なのよ! 」
爺さん  「あっ。。。泳いできたの?  失礼いたしました。。」   
 



気分を取り直し。。。。。。

ラッコ  「爺さん! 爺さん! 今日は何処にご飯を食べに行くの? パタパタパタ。。。腹叩き。。。
爺さん  「今日は中華街の獅子門酒楼へ行くんぢゃ。」
ラッコ  「ししもんしゅろう?」
爺さん  「獅子門と書いて、“しもん”と読むんぢゃ。」
ラッコ  「ヘェ~  そうなんだ! ししもんなのね。」
爺さん  「。。。。。。。。。。。。。。。」


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ラッコ  「爺さん! 爺さん! それで今日はなにを食べるの?」
爺さん  「ラッコよ今日は獅子門酒楼名物 「活 酔払い海老の湯引き」をいただくのぢゃ!」
ラッコ  「パタパタパタ。。。。。。解らないがとりあえず腹叩き 」


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ラッコ  「爺さん! 爺さん! 海老さんが嬉しそうにお酒の中で宴会して踊っているよ!」
爺さん  「そうぢゃ、しばらくの間 たっぷりと紹興酒を呑ませておやり。笑」


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ラッコ  「爺さん! 爺さん! 海老さん呑み過ぎたみたいで皆寝ちゃったけれど? どうするの?」
爺さん  「後はお店の人がテーブルの上で海老を湯がいてくれるから 良くみておくんぢゃぞ。」
ラッコ  「なんだお風呂に入れてから食べるのね。 私はこのまま丸かじりかと思ったわ。」
爺さん  「。。。。。。。。。。。。。。。」


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ラッコ  「ウワァ~  すごく綺麗!  で美味しそう! 丸かじりするの?」
爺さん  「いやいや! 自分で皮を剥いて食べるのぢゃ。  湯がいてあるから簡単に剥けるぞ。」
ラッコ  「へぇ~  爺さんやってみせて!」

爺さん  「先ずは。。。頭と身を捻り。。。。ミソをこぼさないように。。。」


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爺さん  「ここぢゃ!  ここが美味いのぢゃよ! たっぷりと飲んだ紹興酒とミソが湯引いた事でホンワリと温められてなんとも言えない味ぢゃ。  チュルチュル。。。」
ラッコ  「チュルチュル。。。ほんとうだ! 美味しいわ! 紹興酒が進むわね! グビグビ。。。」

ラッコ  「角を持って持ち上げると殻が取れるのね、私は尻尾の身より頭の中が好きだわ。」
爺さん  「ラッコってあんがいと。。。。どう猛なんだな。。。。気をつけよう。」


ラッコ  「あぁ~美味しかった!  爺さん!爺さん! 後は何を食べるの?」
爺さん  「後は。。。。。。次回のお楽しみぢゃ!」

ラッコ  「あっ!   お酒飲んでブログを書くのが面倒になってきたのね!」
爺さん  「。。。。。。。。。。。。。。。。眠いんぢゃ。」  


他の品は また後日。  m(_ _)m

たっぷりと紹興酒を吸わした海老のしゃぶしゃぶ みたいな御品。
葱醤油のようなタレが付いてきますが頭を食べるには要らないと思う。 濃厚な味を楽しめました。
活きの車海老が手に入ったら家でも出来ると思います。 是非ともお試しあれ。


2015-01-18 : 横浜ラッコ物語 : コメント : 18 : トラックバック : 0 :

でんでん虫って呼ばないで!

昔々。

爺さんが家でごろごろしておると、庭先で怪しい気配が。。。
「ムムッ!  そこの怪しい奴、さては物の怪か?  姿を現せ!」 と爺さん震える膝を抱え裏返った声で一括した。
「爺さん! 爺さん! 私よ! ラッコですよ。」

なんと物の怪かと思ったのは磯に住むラッコであった。
「なんぢゃ。。ラッコか。。年寄りを脅かしてはいかんぞ。  して? お前はワシの庭でなにしちょるんだ?」
爺さんが訪ねると、ラッコは明るい声で、「爺さんのお庭に沢山 貝がいるから獲っていたのよ。」と答えよる。

「ワシの庭に貝?  そんなモノはいないはずぢゃが?」
「あら? 沢山獲れたわよ。  ほら! これ!」






「ラッコよ。。。これはデンデン虫ぢゃ。。。」
「??  だって貝殻を背負っているのよ! 貝でしょ?  美味しいでしょ?」

「まぁ。。美味しいんぢゃが。。作った事はないがチャレンジしてみるかのぉ。。」
「嬉しい!  飲み物は何時ものように泡泡したのが良いなぁ~」
「泡泡?  おお! ビールの事か!」
「うん!  開けると“ポン!”って音のするやつ!」
「。。。。。。。。。。ポン?」


「仕方がないのぉ  これでも食べながら少し待っておれ。」


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爺さん手作りのマヨネーズサラダ。。。。ボケておるのぉ

「爺さん!爺さん! このサラダも美味しいけれど、せっかくの泡泡だから前菜とかできないの?」
「。。。。。。。。。五月蠅い奴ぢゃのぉ。。。物の怪なのに。。」



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「二十ヶ月熟成のパルマ産生ハムぢゃ。。。。わしの小遣いで買った逸品にブラクリ柿のソースを添えてみた。」
「ブラクリ柿?  ってなに?」
「先日のオフ会で“ぶらくりさん”に貰った柿を潰してラム酒で伸ばしたソースぢゃ。」

「フゥ~ン~甘さも香りも素敵。  でも。。美味しいけれど熟成された生ハムには必要ないわね。このソースは安価な生ハムにこそ有効よ、今回は口代わりとしてケッパと一緒に頂くととても良いアクセントになったわ。  もちろん十分に爺さんの頑張りは認めているわよ。」

「?。。。。ラッコよ。。。今。。何を吠えていたんぢゃ?   わしには意味が解らんぞ。。。。?」


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「缶詰は小さいのだが案外と沢山の実が入っておった。 一粒100円を十分下回るな。これなら偶には楽しめそうぢゃわ。」
「爺さん!爺さん! この貝はやっぱり美味しいね!  でも。。次回はもう少しニンニクを利かした方がよいかもね?」

「ラッコよ。。。今吠えたのは意味が解ったぞ。。。。。。。。。 」



「それぢゃ 爺さんお腹も一杯になりましたから海に帰りますね。  バイバイ♪」
「おお もう帰るのか? そこまで送ってやろう。  海は冷たかろう風邪をひくなよ。」
「大丈夫!  また遊びにくるね!」

雪降る岬の先で 何時までも何時までもラッコを見送り手を振る爺さんの姿が見えた。


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少々早いクリスマスの話であった。   めでたし めでたし。。。


2014-12-21 : 横浜ラッコ物語 : コメント : 18 : トラックバック : 0 :

支那竹と豚のトウチ炒め。

わが家では“シナチク” “メンマ”と呼ばれるモノは大概は家で作っております。

中華街で塩漬けされているモノを購入して来るのですが、チョットだけ拘りがあるのですよ。





短冊に切られたものでは無く、塊で塩漬けされえたものを買っています。
これを一晩塩抜きして短冊に切り、そこから裂いて小ぶりにしてから麺汁ベースで薄い味付けをして料理に使います。
味付けが薄いので日持ちしませんから少量づつ仕込んでおります。


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ある日の「いその屋」


ガラガラガラ。。。。

店主      「あれ? ラッコ姐さん? こんなに遅くどうしたんですか? もう店はお終いですよ!」
ラッコ姐さん 「店が忙しくてやっと閉めて来たんだよ。 なにか食べさせておくれよ。」
店主      「だから。。。。うちも閉店したって言ってるでしょ!」
ラッコ姐さん 「聞いたよ。私しゃ別に気にしないから大丈夫だよ、遠慮しないで作っておくれ。」
店主      「。。。。。。。。。。。。。。。。。。」


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ラッコ姐さん  「なんだい? これは?」
店主       「本日のマカナイですわ。 シナチクと豚肉のトウチ炒めキムチバージョンです。」
ラッコ姐さん  「へぇ~  なかなか美味しいね。  この黒い小さいのがトウチなのかい?」
店主       「はい  これを潰して一緒に炒めたんですわ。」


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ラッコ姐さん  「黒い納豆。。。なのかい?」
店主       「“美味方丈記”には>味噌でもありませんし、納豆でもありませんが、この二つから想像をしていただくしかありません。<って書いてありますが、味的には八丁味噌に近いきもしませんか?  調味料として使う感じですかねぇ。」
ラッコ姐さん  「なかなか美味しいね。 ご飯が食べたくなるよ。」
店主      「ご飯は売り切れです。」
ラッコ姐さん  「。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。」


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店主      「こいつをラーメンに乗せて“支那竹ラーメン“にしてもおつなもんですよ。」
ラッコ姐さん 「ズルズル。。。ズルズル。。。ズルズル。。。」



ラッコ姐さん  「ぷはぁーーーー! 美味しかったよ! お腹が一杯! それぢゃ帰るよ!ご馳走さま! 」
店主       「ありがとうございます。   本日のお会計は。。。。」
ラッコ姐さん  「マカナイで金も取れないだろ。  また来るからツケといておくれ。」

ガラガラガラ。。。。。ピシャ!

店主       「。。。。。。。。。。。。。。。 」

ようやく「いその屋」の灯りが消えました。   お疲れさまでした。m(_ _)m


2014-12-02 : 横浜ラッコ物語 : コメント : 12 : トラックバック : 0 :

夏でもないのに。。。

既に季節は秋のはず。 夏でもないのに妙に喉が渇き寝苦しい夜であった。

しかたなく床から立ち上がり水を飲もうと井戸端の方へいくと。。。
パチン。。。パチン。。。パチン  と不思議な音と共に妙に生暖かい風が吹いてくる。。

不信に想い耳をすませてみると、
「一粒。。。。二粒。。。。三粒。。。。。。。まだまだ足りない。。。」
と陰に隠った声が聞こえてくるではないか。

恐る恐る 障子の隙間から外を覗いてみると、井戸から這い上がって来たのだろうか、ぬらぬらと毛を光らせながら俯いている物怪が一心不乱に何かを潰しながら 「一粒。。。二粒。。。」
そして、物怪はゆっくりと顔を上げ私の方をを見つめ。。。
「少し。。。手伝う?。。。。」    きゃぁーーーーーーーーーーー!!

なんとも、井戸端で此方を見ながらニンマリと笑う妖怪ラッコの微笑の恐ろしいことよ。

はい!はい!解りました。  手伝いますよ! (笑

夫婦の最初の協同作業であったケーキカット。   あ~れから 30年!!
本日の協同作業は  ダイニングテーブルでの銀杏の殻割りでございます。 何とも色気のない作業だよね。
パチン。。。パチン。。。。
地道な共同作業の結晶が。。。此方!





緑の宝石、“銀杏ご飯”でございます。

銀杏って手間を惜しまず採りに行けばタダ!
殻付きはお値段が少々。。。。。剥いてあると異常に高額!

とりあえず。。。。今回は殻付き買って剥いたわ。(笑

季節を美味しく頂きました。  満足満足。



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最後にそっと塩で握って夜中に食べる御握り。。。。これが、なんとも旨いんだよなぁ。(苦笑



2014-11-01 : 横浜ラッコ物語 : コメント : 12 :
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プロフィール

いその爺

Author:いその爺
横浜在住
五十路で早くも爺さんになちゃった。
“食”“写真”“郷土”が好きです。

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