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ナポリタン歴史資料5「イタリアン元祖論」米軍レーションレシピ

前回載せました、“アニーの5セントカフェ”ってどんな店だと思いましたか?
(今回から引用のある語句には、アンダーバーを入れる事にいたしました。)
私は、店主のアニーはイタリア系の移民で、提供されていた“赤いスパゲッティ”はイタリアンだった。
なんて推理をして楽しんでおります。

推理の根拠を示せよ!  なんて声が聞こえそう~ (笑

その推理は・・・
アメリカにおいて1936年当時イタリア系移民のスパゲッティは、先住アメリカ人の嗜好に合わして、そのレシピを変えつつありました。
名称もイタリア固有の“名称”では無く、アメリカ的名称に変化していたのです。
店主のアニーは、店のメニューの中に スパゲッティを乗せる事にしたのですが・・・・
問題は、故郷イタリアの味では受けそうにありません。アメリカ人は甘いのがお好きなおです。
アニーは店の繁盛を考え、レシピをアメリカ的なモノに変更いたします。
しかし・・・・彼にしてみると、偽物的スパゲッティに冠された、アメリカでの名称が気に入りません。
アニーが考え抜いてつけた名前が"Spaghetti Red"、彼が提供したスパゲッティのアメリカでの名称が“スパゲッティ・イタリアン”
アニーは常々考えていたのです。故郷イタリアのパスタ料理は、こんなモノでは無い・・・・
アニーは生涯“スパゲッティ・イタリアン”という言葉を口に出す事は無かったのです。

あはは! あくまで推理なのですが、この推理を可能にするには、
>名称もイタリア固有の“名称”では無く、アメリカ的名称に変化していたのです。<
この一文を証明するレシピないし歴史背景が必要です。

そんな可能性を秘めたレシピを“はってばってさん”がまたもや寄せて下さいました。
じつはこのレシピってとても重要なのですよ。
何故かと言うと、「ニューグランド発祥説」は“進駐中の進駐軍はトマトケチャップを持ち込んで、茹でて塩胡椒で味付けしたスパゲッティに和えました。”ところから、入江氏がヒントを得て、ナポリタンが世に出て行ったとされるのです。
この話がほんとうであれば、“元祖ナポリタン”は“進駐軍スパゲッティ”で間違いありませんよね?
(私は、この話を信じていませんが・・・・笑)

それでは全文を掲載させて頂きますね。

>爺樣皆樣ご無沙汰しています。
さて、今度は戦中のアメリカ側スパゲッティレシピです。

『ワールドムック711 兵士の給食・レーション ミリメシ食べたい No.1』(今井今朝:編集 ワールドフォトプレス:発行平成20年5月1日)(※以下『本書』と略称)

に1942年アメリカ陸軍のレーションが一部分写真で載っていて「イタリアンスタイルスパゲッティ」が紹介されていました。
以下その紹介部分の転載

「1942年4月24日発行のアメリカ陸軍マニュアルTM 10-405‘THE ARMY COOK(陸軍コック)’には調理と食材の基本、野外用調理器具、そして計315種類のレシピが掲載されている。ちなみにレシピの中で‘イタリアン’の名前が付いた料理はスパゲティのみだ。

以上転載終わり

そして、実物の写真該当部分が載っています。

以下『本書』に写真転載の原文の文字起こし
「TM 10-405
WER DEPARTMENT
TECHNICAL MANUAL
THE ARMY COOK
April 24,1942

110.Spaghetti,italian style

10 pounds meat,diced,beef preferred(fresh or left over)
1 pint cooking oil or bacon drippings
2 pounds onions,chopped
3 cloves garlic,chopped
1 can tomatoes(No.10cans)or 4cans(No.2 1/2 or No.3cans)
1 quart tomato pulp or tomato catsup
8 pounds spaghetti
Salt,pepper,and paprika to taste」

以上文字起こし終わり。
続いて『本書』(恐らく載っているであろう)「作り方」部分を翻訳したものの転載
以下転載開始

「1 調理油、又は脂肪を加熱してタマネギとニンニクが狐色になるまで炒める。
2 肉を加えてこんがりと炒める。トマトとケチャップを加える。
3 塩胡椒で味付けする。
4 ソースが濃厚になり始めるまで煮て、真っ赤な色合いを与えるためにパプリカを入れる。
◎スパゲッティの茹で方
1 スパゲッティを塩水に入れ、20分または茹で上がるまで煮る。
2 湯切りしたスパゲッティを冷たい水にさらす。しかし、麺が冷たくなってはいけない。
3 麺の上からソースを注いで供する。すりおろしたチーズを上にかけて可。」

以上転載終わり。

写真部分の英訳もあるのですが材料と分量だけなので、割愛しました。読みたい際には「打て!」と仰せ付け下さい。
また「THE ARMY COOK April 24,1942」とかで検索かけると複数の外国サイトのオークションが引っかかるので、どうやら実在はするようですね。

<以上

後日“本書”該当箇所のコピーを入手、確認を致しました。

先ずは注目を頂きたいのは、この料理の“名称”です。
“Spaghetti,italian style”

如何でしょうか、とりあえず元祖は”イタリアン”って事にならないでしょうか?
そして、レシピをよく見て下さいね。
“ 肉を加えてこんがりと炒める。トマトとケチャップを加える。”
味付けは“トマトケチャップ”なのですよ、しかもフレッシュトマト付きです。

このレシピって何処かで見た記憶ありませんか?
昭和七年レシピ“トマトのうどん煮”に似ていませんか?(笑

ん~  って悩んでいる方に、此方を見て頂きましょうか。
ってチョイと見にくいから下にコピペしときます。

>『主婦之友』昭和4年12月号

この中に載せられている「うどんのトマト煮」を紹介いたします。
(はってばってさん、みたいに上手に植字できませんので簡単に記載させて頂きます。)


材料=うどん五玉、棚葱一ニ個、バタ大匙三四杯、牛肉三十匁、
トマトケチャップ、塩、胡椒、醤油。

調理法=牛肉を細かく切って、塩、胡椒をふり、バタでこんがりといため、
玉葱も同様細かく切つて、いためておきます。
うどんは、うどん屋から茹で上げたのを買います。
乾しうどんなら茹でてよく晒し、笊に揚げて、水を充分にきつたところで用います。
これもバタで一寸いため、前の肉と玉葱も一緒に入れ、トマトケチャップを加へ、
塩、胡椒と少量の醤油で、味加減をします。
西洋料理に醤油は変だとおつしやるかも知れませんが、
日本人の口には、やはり醤油に入つた方が、喜ばれるやうです。
これはマカロニを使うべきところですが、うどんでも随分美味しく頂かれます。

<以上   昭和4年のレシピです。

「ニューグランド発祥説」を信じて、「米軍軍用レシピ」という“ピース”を当てはめると・・・
なんと日本の昭和4年に存在していた事になるのです。
しかも・・・・麺を炒めてる。(笑

元祖はイタリアン! 謎は解けた! 
と・・・・・・・言えないところが、じつはナポリタンの謎の深いところです。
このくらいでは私自身が未だ未だ満足できない、謎が存在しているのですよ。(笑

次回はそんな“ナポリタンの謎”を提議してみたいと思います。

“イタリアン”と“ナポリタン”の関係は同義語、ではなく“イタリアン”が兄貴だった事の可能性は高くなったと思いますが、如何でしょうか?

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2012-12-17 : ナポリタンの“謎”を追え : コメント : 2 : トラックバック : 0 :
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なんか学術的になってきましたよ”ナポリタンの謎”
でもなんとなく説得されるから不思議です
2012-12-18 13:40 : EGUTI YOUSUKE URL : 編集
Re: タイトルなし
>EGUTI YOUSUKEさん

爺の意地がかかっております!(笑

もう少しで、今年の打ち止めになります。
2012-12-19 15:54 : いその爺 URL : 編集
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プロフィール

いその爺

Author:いその爺
横浜在住
五十路で早くも爺さんになちゃった。
“食”“写真”“郷土”が好きです。

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