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石川町「うなぎ八十八」と『間門園日記』

昭和の時代、関内に八十八という鰻屋があった。
横浜の名士に愛されたその店は料亭の玄関口を思い出させる造りで、まるで一見の客を拒むよう佇まいをみせていました。
若かった私が入れるような店ではなかったけれど、一度だけ入店する機会に恵まれたのは嬉しい思い出。
だけど・・・・幼かった思考がもたらす結果として、大きな記憶として残っていないのが残念。(苦笑

横浜ゆかりの多くの文人に愛された店なので、書籍なのでもその面影を現在でも偲ぶことができると思いますので、私の曖昧な記憶は省略して昭和39年当時のお値段の一端を山本周五郎氏の最後の秘書を務めた齋藤博子著『間門園日記』からご紹介。

>間門園日記 山本周五郎ご夫妻とともに
>昭和三十九年 「ながい坂)の連載を始める

>九月二十八日(月)雨
>昨日、立山に初雪が降った。空も、空気も、木立も、人の顔色までが冬が近いことを教えてくれる。これからは自然が染み入る季節です。寒くても廊下はは網戸で風通しがいい。先生はそれが健康を守るといわれるので閉められません。膝を温める小さな炬燵を出す。当分は眺めているだけ。十時半から四時、佐々木さん訪問。十一時二十分、新潮社出版部の徳田さんから電話があり、文庫「五瓣の椿」を午後から届けに来訪されるとのことです。十一時半から一時、うなぎの八十八まで昼食を買いに行く。先生はタクシーの道順をメモして下さる。八十八の買い物、うなぎめし折り詰め三人前。うなぎ五百円、ご飯五十円、折代三十円、一人前五百八十円。待つ間にうな丼を食べる。四百円。タクシー代二百五十円。漬け物を忘れました。次からは注意すること。一人前は佐々木さんに、先生は後でといわれるので温蔵庫へ、一人前は母に下さる。二時五十五分から四時、久代さん来訪。
<以上

八十八も暖簾をおろしてしまい、しばらくの間長く厨房で働いていた職人さんが関内の相生町一丁目辺りのこぢんまりとした店で暖簾を守っていたと記憶をしていました。




“うなぎ八十八”老舗鰻屋の暖簾がもういちど石川町で上がるそうな。
そんな話を聞いて、気になって仕事帰りにチョイと寄り道、前を通ってみました。

石川町中通りの店はこぢんまりとした、ガラス張りの店。なかには早くも沢山のお客さんが座っていて地元の“八十八復活”にかける期待の大きさを感じさせてくれます。
店頭の張り紙を読みながら・・・・・店内をみると・・・窓際で手を振る人が・・・
中華街“一楽”の社長夫妻が、こっちを見ながら手招きしているぢゃんか!(笑
(真面目に書いていたのですが、どこか“落ち”があるのが定めの拙ブログの運命なのか・・)

御一緒の席に座り一杯いただきました。
(鰻丼食えよ! と言って頂いたのですが、呑み始めに丼は・・・)


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酒の肴はお手頃値段ですね。これなら次回から心配なく酒を呑みながら、鰻を待てそうな感じです。
因みに「こうやって置くんだよ。」って言いながらメニューを置いてくれたのは。一楽の社長。(笑


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鰻肝串は丁重な仕事が施してあり臭みは全くなし。 美味し!


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肝のしぐれ煮。
こういう肴で日本酒呑んだら堪らないんだよね~


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奥に写っているのは・・・・社長のお腹。
若い頃から比べたら・・・随分と痩せたなぁ~  (笑


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女将さんの頼んだ“小ぶり丼”だったかな?1200円だったと思うよ。
酒呑んで最後の〆には丁度良い大きさかもしれない、夜に小さな丼が食べられるのは嬉しいね。

女将さんの小さな丼を掠め取って食べたけど、お味の印象としては“タレは上品、身はふっくら”って感じ。
接客なんかもまだ少し慣れが来ていないと思うけど、タレと共にこれからの成長が楽しみです。

お客さんも次々と訪れ、八十八復活を喜んでいる人の多さに驚きました。
私もまたお邪魔いたしたいとおもいます。 

お会計は・・・・・一楽社長のオゴリとなりました。 社長!ご馳走様です! m(_ _)v
しまった!・・・オゴリなら・・・うな丼食っておけばよかったぜ!



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2013-03-08 : オサレ? 元町 関内 MM 近辺 : コメント : 10 : トラックバック : 0 :
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非公開コメント

呪文を唱えなくて良い鰻だ!
竹輪の蒲焼とは大違い! 私も食べたいな
2013-03-09 14:51 : EGUTI YOUSUKE URL : 編集
鰻の煮こごりってありますが、煮こごりなんですかね。初めて見ますよ。
お知り合いに会えて良かったですね。
鰻の色も良く、小ぶり丼ってのが分かって楽しめますね。
私もこれ位で丁度良いかな。でもご飯は良いけれど鰻は一尾食べたいです~~~
2013-03-09 15:47 : 相子 URL : 編集
山本周五郎は名前だけは良く知ってるんですよ
鎌倉や横浜に関係深い人だったんですね
神戸にはどんな関係があったのか、調べなきゃ

鰻で一杯、いいなぁ
肝のしぐれ煮、知らない世界だわ
どんな世界・・・実体験で教えてくださいませ・・・あははは
2013-03-09 19:09 : メタボ夫婦 URL : 編集
ないしょ話
社長ご夫婦にこの次行くお店と日にちを聞いて、そぅ~と教えてください。
私もそのお店の前でウロウロしてます。

ご相伴にあやかりたい。。。(次は寿司かなぁ~)
2013-03-09 20:40 : kinchan60 URL : 編集
おぉ~
若干29歳のヌシには
記憶の彼方で店名だけは聞いたような気がする うなぎ八十八さん
再開されるのは神奈川新聞で読みましたが
こーして写真で拝見すると実に美味しそうであります ( ̄◇ ̄)ゞ
花粉症が治まったらいこぉーっと ♪
2013-03-11 08:26 : 小径のヌシ(^-^) URL : 編集
Re: タイトルなし
>EGUTI YOUSUKEさん

横浜では鰻高騰で商売にならないそうで、鰻屋さん閉店ばなしがチラホラと聞こえてきます。
この時期に老舗復活は嬉しい話題なんですよ。

お客さん年齢層が、異常に高かった・・・・・笑
2013-03-11 13:57 : いその爺 URL : 編集
Re: タイトルなし
>相子さま

鰻が出来上がるまでの一杯がけっこう楽しみです。
呑み過ぎたら・・・・少々小さな丼が良いですね。(笑

丼の時は私も鰻は一匹、ご飯は少なめが丁度よいです。
鰻重だと普通に食べちゃいます~ 
2013-03-11 14:01 : いその爺 URL : 編集
Re: タイトルなし
> メタボ会長

山本周五郎さんは山梨出身なのですが、横浜を第二の故郷として本牧で過ごされました。
多くの作品がこの地で執筆されたんですよ。

鰻の肝は・・・・・元気出ますよ~ (笑
2013-03-11 14:04 : いその爺 URL : 編集
Re: ないしょ話
>kinchan60さん

もちろん! 女将さんの耳元で“今度は。。kinchanと野毛、野毛、野毛・・”と呟いておきました。(笑

それにしても、東京は盛り上がったようですね~ 
私としては、皆様のパワーの前では・・・・・少々・・・怖いわ!(笑
2013-03-11 14:09 : いその爺 URL : 編集
Re: おぉ~
>永遠にお若いヌシさま

いいなぁ~ 永遠の29才! 
もう私は頑張っても永遠の爺・・・・・・? v-406

三月に吉田町に、日本料理と鰻の店も開店するようですよ!
短期間に二軒出店って凄いパワーですね。
料理店の方も興味津々です~ 
2013-03-11 14:15 : いその爺 URL : 編集
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プロフィール

いその爺

Author:いその爺
横浜在住
五十路で早くも爺さんになちゃった。
“食”“写真”“郷土”が好きです。

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